淡路島 かよふ千鳥の なく声に
幾夜寝ざめぬ 須磨の関守
淡路島から飛んでくる千鳥のもの悲しげに泣く声に
この須磨の関の番人は、何度目覚めた事だろう。
鑑賞
出ました。待ってました。
個人的に思い入れのある歌です。
超地元の歌であることに加え、
姉のおはこの歌です。
淡路島~
はい
自分の名前が入っているからなんですね。
どこにかは内緒。
須磨って風光明媚な観光地なんですけど
昔のイメージは、派手派手ーっとはいかなかったみたいですね。
京の都からは離れているから
どちらかというと流される場所。
だから逆にわびさびの場所として通好みなんです。
源氏物語で、光源氏が自ら身を引き、隠れるように住んだ場所として描かれた。
この歌もそういう、わびしさを全面に出した歌ですね
こんなわびしい土地は嫌だなあ
とは直接言えないので
千鳥の鳴く声と
それで毎朝起きちゃう関守という第三者で表現
おいお前、ここが嫌なんかい、とつっこまれた時には
いえいえ、清々しい朝を毎朝目覚める、力みなぎる歌です
と言えますね。
少なくともうちの姉は、そう解釈しています。
でも、真意はまず間違いないのは
源氏物語の須磨の巻に千鳥がもの悲しく鳴いて目覚めてしまうという記述があるから
藤原定家がこの歌を選んだのも、定家の源氏物語好きによるものです。
さらに、この歌が気に入ったようで
この歌を本歌として歌を作っています
旅寝する 夢路はたえぬ 須磨の関
通ふ千鳥の あかつきの声
さらに
ただ、わびしいだけじゃあ、ここまで人気が出ない。
さらに続きがあるんです。
「淡路島通う千鳥の恋の辻占~」
百人一首は恋の歌だらけなのに
数ある恋の名歌を押し退けて
恋占いの呼び声に採用されちゃった。
きんぎょーえ、きんぎょ
みたいな
夜,花柳界などを中心に占紙を売り歩いた辻占売というのがあって
その呼び声
通うっていうところのイメージだけの気がするけど
全体的に語感が良いですよね
どれ引いても、良いことしか書いていないお約束で
書いてある言葉を楽しんだ
おつだねえって
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